「新しいことに挑戦したいけど、なかなか一歩踏み出せない」「毎日同じことの繰り返しで、このままでいいのかな」
そう感じたことはありませんか?
私たちは、無意識のうちに「現状維持」を選んでしまいがちです。これは、脳が本能的に変化を避け、慣れ親しんだ環境や思考パターンに安住しようとするため。この傾向は「現状維持バイアス」と呼ばれ、私たちの成長を妨げる大きな壁となります。
しかし、VUCA(Volatility, Uncertainty, Complexity, Ambiguity)と呼ばれる、予測不可能な現代社会を生き抜くためには、この現状維持バイアスを克服し、自ら変化を起こしていくことが不可欠です。
このバイアスから抜け出し、脳を活性化させるための3つの秘訣を詳しく見ていきましょう。
なぜ変化を恐れるの?脳の仕組みを理解する

人間の脳は、太古の昔から危険を回避し、生存確率を高めるために進化してきました。そのため、未知の状況や変化に対しては、本能的に「警戒信号」を発します。
新しいスキルを学ぶ、新しい人間関係を築く、新しい職場に転職する……。
こうした変化は、脳にとって「予測不能なリスク」と捉えられます。その結果、「やめておけ」「現状のままで安全だ」と警鐘を鳴らし、私たちを行動から遠ざけてしまうのです。
この仕組みを理解することで、「変化を恐れるのは、自分だけじゃない」と安心し、その上で「じゃあ、どうやって脳をだまして行動を起こそうか?」と前向きに考えられるようになります。
脳のパフォーマンスを最大化する3つの実践法
脳の防衛本能に打ち勝ち、思考停止から脱却するためには、日々の習慣が鍵を握ります。
1. 「なぜ?」と問い続ける習慣を身につける
私たちは、無意識のうちに「これはこういうものだ」と決めつけてしまいがちです。
例えば、
「この仕事はいつもこのやり方でやっているから」
「この業界ではこれが常識だから」
こうした思考は、新たな可能性を閉ざしてしまいます。
そこで、意識的に「なぜ?」と問いかける習慣をつけてみましょう。
「なぜ、このやり方でやっているんだろう?」
「本当に、この方法がベストなのだろうか?」
「他に、もっと効率的な方法はないだろうか?」
当たり前だと思っていることに疑問を持つことで、思考が活性化され、新たな視点や斬新なアイデアが生まれてきます。
2. NGワードを追放し、言葉をアップデートする
私たちが普段使っている言葉は、思考パターンに深く影響を与えます。
- 「承知しました」
この言葉は、言われたことをただ受け入れるだけで、自ら考えることを放棄している状態を意味します。「言われたことをただこなす」のではなく、「これをこうしたらどうなるだろう?」と一歩踏み込んで考えることで、思考が深まります。 - 「できない」
この言葉は、自ら可能性を閉ざしてしまいます。たとえ難易度が高いと感じても、まずは「どうやったらできるだろう?」と考えを巡らせる習慣をつけましょう。
言葉を変えることは、思考回路を変えること。自分の言葉を意識的に変えていくことで、脳は「できる」ための方法を自ら探し始めます。
3. 明確なゴールを設定し、脳をナビゲートする
脳は、目的地が明確であればあるほど、そこにたどり着くための最適なルートを考え始めます。
- 漠然と「痩せたい」ではなく、「3ヶ月後に3kg痩せる」
- 「仕事で成功したい」ではなく、「半年後に〇〇の資格を取得して、新しいプロジェクトを成功させる」
このように具体的な目標を設定することで、脳は「では、そのために今何をすべきか?」と逆算思考を始めます。
ゴールから逆算して、今日やるべきこと、今週やるべきことを具体的に計画することで、行動が加速し、その過程で新たな発見やひらめきが生まれます。