「勉強をしなさい」はNG
子供の頃、宿題をやろうかなと思った瞬間、親に「勉強しなさい!」「宿題しなさい!」と何度も言われたこと、ありませんか?
大半の方は子供の頃のあるあるではないでしょうか。
親になって自分の子供にも同じことを言っていると感じたことはありますか?
ここでご紹介する方法は一つだけです。
これをやれば、子供は自主的に勉強をするようになりますよ。
子育てに悩んでいるクライアント様も、これを実践して少しずつ机に向かうようになったと喜んでもらえました。
子供はなぜ勉強しない?
勉強をしようと思って腰をあげようとした矢先、何故か母親にタイミング良く「勉強をしなさい!」と言われ、「今やろうと思ったのに…」と、途端にやる気が失せてしまう。
あの現象は何だったのだろうと以前は不思議でした。
ですが、もし子供に勉強をさせたいのであればその一言は逆効果です。
むしろ、親が何度も何度も言うのは疲れてしまいますし、子供はますますやる気がなくなるのでお互いのためにおススメはしません。
心理学的以外にも統計学で面白い結果が残っています。文科省の行った調査(平成20年、平成25年全国学力・学習状況調査結果)のなかで「勉強しなさい」と言われているグループほど成績が低いことが報告されています。
では、心理学的にはなぜ逆効果なのかその理由と、効果的な伝え方をこのブログでお伝えしますね。
理由は2つ
あなたの子供の頃を思い出してみてください。
なぜ親に「勉強をしなさい!」と言われて気持ちが削いでしまったのか…。
いろいろ理由はありますよね。それには2つの心理的な要因が関係しています。
心理的リアクタンス
ここで例題です。
健康診断をあなたは受けました。結果がでて、医師に次のようなことを言われました。
A.「少し内蔵脂肪が増えていますね。今日のお昼から脂っこいお食事はしないでください。」
B.「少し内蔵脂肪が増えていますね。〇〇さんの自由ですが、今日から少しずつでもいいので脂っこいものに気を付けてみてはどうでしょ う」
AとBどちらを聞いて頑張ってみようという気持ちになりましたか?
どちらも同じ内容ですが、Bを選ぶ人が大半ではないでしょうか。
医師から脂っこいものは食べないようにと命令されたら、食べる自由が制限されて一層食べたくなるのが人間です。人は入手不可能だと言われるとますます欲しくなる性質があるので、Aのような命令は気分を害する言い方になり反発心を煽ります。
簡単に説明すると、人は自由を求めて生きています。その為、何か制限をかけられると抵抗したくなります。
なので、「~しなさい」といわれると「したくない!」と思ってしまうということです。
【心理的リアクタンス】の特徴は、たとえそれが相手にとってプラスになる内容でも無意識下で相手は反発してしまうことです。
ブーメラン効果
ブーメラン効果とは、物事の結果がブーメランの飛行軌道のようにその行為をした者に(主に負の)効果をもたらして返ってくる現象のことをいいます。
この現象は、相手を説得すればするほど説得者が拒絶される現象のことをさすものになります。
例えば、嫌いな人から執拗に迫られたりするとさらに嫌い度が増していくという、あの現象です。
ブーメラン効果を生み出す要因は、相手の押しつけがましい態度がでていたり、自分の信念や価値観に対する説得が行われたりなどすると、相手は「自由を奪われる」という脅威を感じてしまい、反発の態度を強めてしまうのです。
勉強の大切さを説かれた時に勉強のやる気を一気に無くしてしまうのは、自分でも「勉強は大事」と本当は分かっているからなのです。
勉強以外でも、例えば障害のあるカップルが周りから反対されたらされる程燃え上がり、周りが応援をし始めると別れてしまうという現象もブーメラン効果です。販売員に「これすごくお勧めです!」と何度も押し付けられると買う気がなくなってしまったりもこれに当てはまります。
効果的な伝え方
ここまで何故「勉強しなさい」が逆効果なのか説明しました。ここからは効果的な伝え方を説明しますね。
メリットを伝えること
子供が反発するのは上記でも話したように、本当は勉強がどれだけ大切かということが、無意識に分かっているからです。
なので、何故それをしなければいけないのかメリットを教えて、命令ではなくてアドバイスをすると効果的です。
例えば、「将来何になりたいの?」と聞いてみます。そうすると大抵の子供は「〇〇になりたい」と応えてくれます。分からないと応える子もいるかもしれませんね。「〇〇になりたい」とお話してくれた子には、将来なりたいものになる為に勉強はこういうメリットがあるんだよと伝えましょう。
例を挙げてみます。
子供:「建築家になりたい」
親:「建築家かぁ。かっこいいね。じゃぁさ、建築家になる為には算数が出来た方がもっといいんじゃない?出来るようになったら向こうからぜひうちで働いてくださいってたくさんの声がかかって引っ張りだこになりそうだよね。」
子供:「ユーチューバーになりたい」
親:「ユーチューバーすごいね。ユーチューバーならさ、いろんな知識を持ってたほうが面白い配信が出来そうだよね。いろんな事を知ってる人ってすごく魅力的に見えるよね。」
最初から勉強の話をするのではなくて、子供の興味のある話をみつけて、そこからきちんと話を聞きながら勉強のアドバイスをすると素直に子供の耳に届きます。
分かんないと応えた子には、「じゃぁいつかなりたいものが見つかった時の為に、今からいろいろ吸収していくといいかもしれないね。お母さんも何かはじめてみようかなぁ」とか何気なく伝えてみると良いと思います。
なぜそれをしないといけないのか、理由やメリットを話してあげると良いです。
私たち大人もそうなのではないでしょうか。自分にとって何がメリットなのか、リターンはあるのかを知った方がやる気が起きるのではないでしょうか。
「この石全部毎日磨いて」と言われたらなんで私が(僕が)と思います。なので「この石は宝石だからより美しくなるように磨かないといけないんだよ。磨けたら今のお給料の倍以上の報酬を渡すよ」と伝えた方が目標は明確になります。
心理学のアドラーでもこれらは証明されていて効果的だと話しています。
「人間は放っておいても頑張れる存在である。だから親は手取り足取りやるべきことを指示するのではなくて、子どもの能力を引き出すためのアドバイスをしていけばいいというわけです。」
出典(『アドラー流「自分から勉強する子」の親の言葉』 著・和田秀樹)
勉強をしてほしくて言いたくなるかもしれません。ですが、あなたの子供を信じてあげることも親の仕事です。私たちが思っている以上に子供たちは考え、頑張れます。何事も理由を明確にして伝え尊重してあげることが、子供たちにとっては大切だと私は思います。
こころのかふぇ(ここかふぇ)
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