【夏休みの不思議】なぜ旅行の帰り道は早く感じる?

Two boys relaxing on colorful inflatable floats in a swimming pool under the summer sun.

未来の移動と時間感覚

Smartphone capturing Mt. Fuji's reflection in Lake Kawaguchi during a scenic sunset.

この不思議な時間感覚は、テクノロジーの進化でどう変わるのでしょうか。

例えば、ここ名古屋でも開業が待たれるリニア中央新幹線。東京・名古屋間をわずか40分で結ぶこの新しい交通手段は、私たちに常に「行き」のような新鮮さを与え続けるかもしれません。

また、近年ニュースを賑わせている「自動運転」技術の進化も興味深い点です。もし将来、運転を完全に車に任せられるようになれば、ドライバーは行き道から情報処理の負荷から解放されます。そうなれば、「帰り道効果」そのものが薄れていく可能性も考えられます。

思い出の多さが時間の長さを決める

最後に、記憶の仕組みも関係しています。

脳は、記憶に残る「イベント」の数が多ければ多いほど、その期間を「長かった」と認識します。

行き道では「あの変わった橋を渡った」「〇〇というご当地グルメを食べた」など、たくさんの新しい出来事が記憶に刻まれます。これが「長い旅だった」という感覚を生み出します。一方、帰りは新しいイベントが少ないため、記憶の密度が低く、「短かった」と感じるのです。

脳が旅を楽しんだ証拠

「行きは長く、帰りは短い」という現象は、人間の脳の面白い特性です。

次にあなたが車で出かけるとき、ぜひこの「帰り道効果」を意識してみてください。帰り道が早く感じたら、それはあなたの脳が行きの道のりでたくさんの新しい発見をし、旅を存分に楽しんだ証拠なのかもしれませんね。