スマホで子どもの脳が危ない?

Three teenage girls smiling while taking a selfie together indoors.

記事の目次

年齢別の影響と注意点

Two children laughing and posing for a selfie on a cozy couch, capturing a joyful moment of friendship and fun.

0〜5歳(乳幼児期)感覚と愛着の土台

この時期は、スマホそのものよりも「スマホによって奪われる時間」が問題視されます。

リスク
言語発達の遅れ、視覚発達への偏り。
理由
脳は五感(触る、嗅ぐ、動く)を通した実体験で育ちます。画面の中の「平面的な刺激」ばかりだと、立体認識や対人コミュニケーション能力の基礎が育ちにくくなります。

5〜12歳(児童期)脳の構造が作られる時期

東北大学の追跡調査では、この時期にスマホを毎日使う習慣があると、脳(大脳白質など)の発達が止まってしまうという衝撃的なデータが出ています。

リスク
記憶力、語彙力、読解力の低下。
理由
脳がネットワークを広げようとしている最中に、スマホの「受動的で速すぎる刺激」を与え続けると、自ら深く考える回路が十分に形成されません。

13〜18歳(思春期)自己制御の脳が未完成

脳の司令塔である「前頭前野(理性を司る部分)」が完成するのは20代半ばです。中高生はこの部分がまだ工事中のため、依存しやすく、最も「劇薬」になりやすい時期です。

リスク
感情コントロールの喪失、睡眠障害、学力の著しい低下。
理由
依存を司る「報酬系」が活性化しやすい一方で、ブレーキ役の「前頭前野」が未発達なため、自分の意思でやめることが物理的に難しいのです。

なぜ「劇薬」と呼ばれるのか?

主な理由は以下の3点です。

  1. 脳の発達停止
    MRI調査により、スマホを長時間使う子供は、使わない子供に比べて数年分、脳の発達が遅れている(あるいは止まっている)ような画像結果が報告されています。
  2. マルチタスクの弊害
    勉強中にスマホが横にあるだけで、脳のワーキングメモリ(作業領域)がスマホに割かれ、集中力が激減します。
  3. 睡眠とメラトニン
    ブルーライトは睡眠ホルモンを抑制し、成長に必要な深い眠りを妨げます。寝不足の脳は学習内容を定着させることができません。

具体的にどう向き合うべき?

専門家の知見をまとめると、3つの以下のような指針が推奨されています。

  1. 持たせる時期
    理想は「前頭前野が少し育ち、自制心が芽生える15〜16歳以降」ですが、現実的には中学入学時が多いです。その場合は「夜間はリビングで充電する」などの物理的ルールが必須です。
  2. 使用時間
    学習以外の時間は1日1時間以内、長くても2時間以内が、脳への悪影響を抑えるボーダーラインと言われています。
  3. 「あと伸び」を信じる
    脳には可塑性(変化する力)があるため、使用を控えて読書や対面での会話、運動を増やすことで、発達の遅れを取り戻せる可能性も示唆されています。

「スマホを奪う」のではなく、「スマホ以外の刺激で脳を育てる時間を守る」というスタンスが、成長期のお子さんには大切かもしれません。

今までのことを踏まえて脳を「スマホモード」から「現実モード」へと切り替えるための、具体的で無理のないステップをこれから【小中高生向け】と【0歳~向け】ご紹介します。

精神医学の知見では、「いきなりゼロにする」よりも「脳を飽きさせない工夫」をすることが成功の鍵と言われています。