出産、本当にお疲れ様です。
「赤ちゃんはかわいい。でも、なんだか涙が出る」
「夜中に何度も起きるのに、誰も分かってくれない気がする」
「夫のちょっとした行動にイライラが止まらない」
もし今、あなたがそんな風に感じているなら、それはあなたが弱いからではありません。産後の心と体は、それだけ大きな変化と戦っている証拠です。
「頑張らなくていいよ」という言葉は嬉しいけれど、実際には「頑張るしかない」のが現実。
この記事では、そんな産後の「どうしようもない心のしんどさ」を心理学の視点からひも解き、新しい自分として一歩を踏み出すための具体的なヒントをご紹介します。
「産後のしんどさ」はホルモンと環境の変化による”自然な反応”です

産後の心の不調は、あなたの性格の問題ではありません。科学的に見ても、この時期の女性の心は非常に不安定になりやすいのです。
ホルモンのジェットコースター
出産と同時に、妊娠中に大量に出ていた女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)が急降下します。これは、更年期と似たような心の不安定さを引き起こします。多くのお母さんが経験するマタニティブルーズ(一時的な気分の落ち込み)も、主にこの影響です。
「母親役割」という重圧
「赤ちゃんを守らなければ」「完璧に育てなければ」というプレッシャーは想像以上に重く、知らず知らずのうちに自分を追い詰めます。この重圧が積み重なり、持続的な抑うつ状態になると産後うつ病につながります。
夫婦のすれ違い(産後クライシス)
多くのお母さんが口にする「夫は何も変わっていないのに、私だけが激変した」。
子どもが生まれたことで、妻は「母」としての役割を強いられますが、夫は「父」になるスピードが違うことが多々あります。この育児への意識のギャップが、お互いへの不満や無関心を生み、夫婦の危機(産後クライシス)を引き起こします。