こんにちは。こころのかふぇ代表の大城です。
皆さん、今この瞬間も、あなたのエネルギーが知らず知らずのうちに、まるで水漏れのように失われているとしたら、どうでしょう?
朝、満タンだったはずの「心のバッテリー」が、なぜか職場の同僚の愚痴や、家族の心配事を自分の問題として抱え込んだ瞬間に、一気に消耗してしまう。その原因は、他人の感情があなたの心に流れ込むのを防ぐ「自他境界(Self-Other Boundary)」が壊れているからです。
この記事では、エネルギー泥棒から自己を守る術を学びます。特に自閉スペクトラム症(ASD、旧アスペルガー)の特性を持つ皆さんに向けて、感情的な直感に頼るのではなく、論理と構造という、あなたの最も得意な武器を使って、誰にも破られない心理的バリアを構築する方法をお話しします。
自他境界の基礎:心理的な「敷地」の所有権

自他境界とは、「これは私のもの(責任、感情、時間)」と「これはあなたのもの(責任、感情、時間)」を明確に分ける、心理的な線引きです。
健全な境界線とは、相手を拒絶する厚い壁ではなく、必要なときだけ開閉できる門のようなものです。この「門」が壊れていると、他者の問題という名のゴミが、あなたの敷地内にどんどん溜まってしまいます。
ASDの脳と境界線:なぜ「線引き」が極端になるのか?
ASDの特性は、境界線の設定を極端にしてしまう傾向があります。
- 共感性の非対称性
感情的な苦痛をリアルに感じにくいため、相手の感情的な問題を論理パズルとして捉え、「解決しなければ」と過剰に介入してしまいがちです。 - 白黒思考とスポンジ吸収
人間関係の曖昧な「グレーゾーン」が苦手なため、「完全に壁を作る(孤立)」か、「要求をすべてルールと誤認して吸収する(燃え尽き)」かの極端な対応を取りやすいです。この「スポンジ状態」が、エネルギーを吸い取る最大の原因です。

