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片付けられない夫・イライラする妻

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大城 眞抽美
朝日報道番組ABEMA・30代女性雑誌Poco'ce・財経新聞など出演。人は客観的な現実を理解することはできない。 認知神経科学の観点から意識を研究、特に30代女性1万人以上カウンセリングしています
目次

夫婦間の相談ケース

今日は、【命令しても夫はやらない】というテーマについてお話ししたいと思います。

カウンセリングを行っていますと、多い相談が夫婦の間の【片付けられない問題】です。
例えばこのようなご相談ですね。

「うちは共働きなのに家に帰ると夫はソファーに座っているだけで何もしてくれません。私は遅く帰ってきても家族のご飯を作ってお風呂を沸かしたり、結局ゆっくりできるのはおトイレの中だけで、寝るのは23時まわってから。こっちはずっと忙しく動いているのに夫は出したものは出しっぱなし、脱ぎ散らかしたりして注意をすると『それぐらいやってよ。こっちは働いて疲れてるんだから』と機嫌を悪くします。私も働いてると伝えたこともありましたが、夫には自分より稼ぎも少ないし少しだけの時間しか働いてないのだから、それは働いてるうちには入らないよねと言われました。一生懸命伝えても家事は女性の仕事だよねとも言われ悲しくなりました。」

命令していませんか?

皆さんも、夫や子どもに何かをお願いしたことはありませんか?

例えば、自律神経にもいい生活リズムを整えるきっかけとして朝散歩を始めてみませんか?とクライアントにお話しをすることがあります。
私は、朝散歩の効果をずっと啓蒙してきましたが、なかなか始める人はいません。特にクライアントの場合、体調や起床の問題から敬遠する方がやっぱり多いですね。

だけど、私は「情報」を提供し続けることを大切にしています。

例えば、朝散歩することで体内時計がリセットされて睡眠の質が向上すること、セロトニンの活性化によってうつ病に効果的であることなど、朝散歩のメリットについて詳しく説明します。

重要なポイントは、客観的かつ中立的な情報提供です。やるかやらないかは別として、こういう情報がありますよ、こういう統計がありますよ、こういう科学研究がありますよ、という形で伝えることが効果的です。そうすると相手は感情的なハードルが下がり、行動を起こしやすくなるのです。

同様に、片付けをさせたいときも魔法のような効果的な方法があります。
例えば、リビングの机の上に片づけの本を置いておくことです。

ただし、「絶対に読んだほうがいいよ」とは言わないでください。

何ヶ月か置いておくと、相手が忘れた頃に本を読んでいることもあるのです。

ただ命令するだけでは相手は行動しないものです。しかし、情報提供を根気よく続けることで、相手は忘れた頃に動き始めるのです。

皆さんも、命令よりも情報提供を意識してみてください。相手の感情的なハードルを下げて効果的な行動を促すことができます。お互いに協力し合い、未来の環境をよりよくするために、命令ではなく情報の力を活用しましょう。

男性に効果的な頼み方はこれ!

夫に「ここ片付けてくれる?」「窓ふきしてくれる?」と頼むとテレビを観ながら「後からね」とスルーされたり、気乗りのない返事をされて結局自分がやるハメになんていうことありませんか?

そんな時、男性に頼むときの効果的な言い方があります。

それは
「ここ片付けてくれる?」 → 「ここの整理がうまくできないからやってくれない?」
「窓ふきしてくれる?」 → 「窓をピカピカにしてくれない?」

このような感じでピンポイントで伝えてください。

男性は何かを【極める】ことがとても好きなんです。よく男性の料理人(フレンチやイタリアン)が多いのは、ひとつのことを研究し、極めていくからです。なので女性は日々忙しいなかで料理や家事をいかに時短できるか考えてしまいますが、男性はまず形から入りますね。パスタを作るだけなのに料理人かと思うような道具類を全て揃えてきたり、きっちり量ったり極めようとして台所が大変なことになるなんてこと、よく聞きます。

ですから、おおまかに伝えるよりもピンポイントで伝える方が片付けてくれたりします。

他人の行動を変えるには時間がかかる

私の経験からお伝えすると、他人の行動を変えるのには時間がかかることが多いです。実は、「半年」以上の時間が必要とされると言われています。

例えば、私は医療従事者として、多くのクライアントに健康を改善するためのアドバイスをしてきました。その中で、はじめにもお伝えしたように朝の散歩を勧めることがあります。

でも、残念ながら、ほとんどの人はすぐにはじめません。

だけど、ここで大切なのはその話題をしつこく続けることではありません。途中から、あえてその話題を避け、他の話題に移していくのです。

すると不思議なことに、半年ほど経つとクライアントのほとんどが朝の散歩を始めているのです。そして私が「最近調子がいいですね」と尋ねると、「朝8時に起きて散歩しています!」と自然に答えるのです。

これが重要なポイントなのです。
相手は、私の言葉に従って行動しているわけではないのです。彼女たち自身が、自発的に行動する意識を持ち変化を起こそうとしているのです。

つまり、相手を変えるためには時間と忍耐が必要です。私たちは待つことで相手の行動を効果的に変えることができるのです。

行動させる2つの方法

私たちが他の人に何かを要求したい時、ついつい命令口調になってしまうことがあります。
だけど実際には、相手に「言われてソレをやる」というのは、本当に嫌なものです。人は最終的に、自分の意思で行動するものです。そのため、他人を変えるためには相手の意思ややる気、人格を尊重することが重要です。

さて、具体的にどのようなアプローチが相手を変えるのに効果的なのでしょうか?

まず、「北風と太陽」の寓話を思い浮かべてみてください。
北風は力いっぱい風を吹かせて旅人の上着を脱がせようとしますが、旅人は上着を強く押さえてしまい、脱がせることができません。一方で、太陽は日差しを照りつけることで、旅人は暑さに耐え切れず、自ら上着を脱ぐのです。

この寓話から分かるように、人を行動させるには、2つの方法があります。
一つは「不快なことを避ける」というモチベーションであり、もう一つは「快適なことを求める」というモチベーションです。

通常、私たちは他人に対して「北風」的なアプローチをとってしまいがちです。つまり、相手に恐怖や不快、叱られることを避けるために頑張るように相手に促すのです。しかし、実はこのアプローチは逆効果となることも多く、相手は防衛的になり、こちらの言葉を聞こうとはしません。

一方で、「太陽」的なアプローチは、はるかに効果的です。相手を信頼し、リスペクトし、肯定的に関わることで相手は自ら行動をするようになります。相手を認め、評価し、ポジティブな言葉を使うことで、相手は動き出すのです。

ですから、私たちは自己成長のために、まず自分自身を変えることが大切です。他人を変えたいと思うのであれば、まず自分が変わることから始めましょう。そして、相手を尊重し、肯定的に関わることで、相手は自発的に行動するようになります。

家族や職場など、様々な場面でこのアプローチを実践することで、より良い関係を築くことができるでしょう。

最後に、相手へのアプローチを変えてみてください。相手の意思ややる気を尊重し、ポジティブな関わり方をすることで、驚くほどの変化が訪れるはずですよ。

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