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【トラウマからの回復】心の傷を乗り越える方法

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大城 眞抽美
朝日報道番組ABEMA・30代女性雑誌Poco'ce・財経新聞など出演。人は客観的な現実を理解することはできない。 認知神経科学の観点から意識を研究、特に30代女性1万人以上カウンセリングしています
目次

誰もがトラウマを経験する可能性があります。
「ない」という恵まれた人もきっといるでしょう。
トラウマは目に見えない心の傷ですが、適切に対処をしないと深刻な影響を及ぼす可能性があります。

本ブログでは、トラウマの正しい理解と乗り越えるためのポイントについて詳しく解説しています。つらい経験からトラウマに苦しむ方々にとって、本ブログが心の支えとなれば幸いです。

トラウマとは何か?

トラウマとは、心の傷のことです。心理学的には「心的外傷」または「精神的外傷」とも呼ばれ、心理的・精神的に大きな打撃を受け、その影響が心と身体に長く残るような体験を指します。

トラウマは、身体に受けた深刻な傷が後遺症となるのと同じように、過去の心のショックがその後も心や身体に障害をもたらす状態を指します。最新のトラウマに対するデータ研究では、トラウマになる出来事は一般的に理解されているよりも日常生活でよく起こっていることが分かってきています。

例えば、育った家庭での両親の不仲や離婚、職場でのストレスやハラスメント、人間関係の問題など、個人の経験や感じ方によってトラウマ化する可能性があります。つまり、トラウマは特別なことではありませんが、軽視することもできません。

トラウマは目に見えないため、他人からはダメージを受けていることについて理解されにくいことが特徴です。しばしば「いつまで過去のことにこだわっているんだ」と否定されがちですが、トラウマは忘れたくても忘れられない苦しみを伴い、その解決は容易ではありません。
ただし、小さな傷や嫌な出来事であれば時間と共に治っていくこともあります。前向きな考え方を持ち、トラウマを乗り越えることが人生の糧になることもあります。

次のセクションでは、トラウマを抱えがちな人々について探っていきます。

トラウマを抱えがちな人々

トラウマは、誰にでも起こり得る心的外傷ですが、特定の状況や経験を抱える人々がよりトラウマを抱えやすいとされています。以下は、トラウマを抱えこんでしまうきっかけについてになります。

災害や事故に巻き込まれた人々

地震や洪水、火事などの自然災害や交通事故などの事故に巻き込まれた人々は、強い恐怖や衝撃を経験することがあります。これらの出来事は、トラウマを引き起こす要因となることがあります。

暴力や虐待を受けた人々

暴力や虐待を受けた人々も、トラウマを抱えやすい傾向があります。身体的・精神的な暴力や性的虐待などは、心に深い傷を残し、トラウマ症状を引き起こすことがあります。

レイプや性被害の被害者

性暴力の被害者も、トラウマを抱えやすい人々です。強姦やセクシャルハラスメントなどの性的な暴力は、被害者に深い傷を残し、トラウマを引き起こすことがあります。

戦争や紛争の被災者

戦争や紛争の被災者も、トラウマを抱えがちな人々です。爆発や銃撃、虐殺などの戦争や紛争の出来事は、長期間にわたって心に深い傷を残し、トラウマ症状を引き起こすことがあります。

家族関係の問題を抱える人々

家族関係の問題や不仲、離婚なども、トラウマを抱えやすい要因となることがあります。家庭内の暴力や虐待、親からの過干渉や抑圧などは、心に大きな傷を残し、トラウマ症状を引き起こすことがあります。

学校や職場のストレスを抱える人々

学校でのいじめや教師からの暴力、職場でのハラスメントや過労など、学校や職場のストレスもトラウマを引き起こす要因となることがあります。不安や恐怖を経験することで、トラウマ症状が現れることがあります。

これらはトラウマを抱えがちな人々のきっかけの一部ですが、実際には様々な要因や状況があります。トラウマの抱え方や症状は人によって異なるため、個々の経験や状況に基づいた適切なサポートが必要とされます。

トラウマの症状と影響

トラウマ体験による反応は多岐にわたり、回復する人もいれば、長期的な心身の健康に影響を受ける人もいます。具体的なトラウマの症状としては、侵入症状(フラッシュバック)、過覚醒、回避・麻痺などが挙げられます。

侵入症状(フラッシュバック)

  • 思い出したくないのに、自然にトラウマの出来事や関連することを思い出してしまうことがあります。
  • 同じような感覚を味わう悪夢を繰り返し見ることがあります。

過覚醒

  • 神経が興奮しやすくなり、緊張状態が持続します。
  • 大きな音や攻撃的な声に驚いて身を震わせることがあります。
  • 眠りが浅くなり、寝ていても目が覚めやすくなります。

回避・麻痺

  • 不愉快な思い出に関連するものを避け、考えないようにします。
  • 無感情になり、ぼんやりとした感じがします。
  • 現実感が薄くなり、記憶が曖昧になることがあります。

これらのトラウマの症状は、強いストレスがもたらすものです。トラウマの体験が非常に強烈だったり、大切な人やものを失ったり、安心感を取り戻せない状況が続く場合、これらの症状は日常生活に支障をきたす可能性があります。

ただし、これらの症状は一時的なものであり、本来の自然な反応でもあります。強いストレスを経験した後は、心身ともに警戒状態が続くため、一時的にこれらの症状が現れることは自然なことです。しかし、これらの症状が長期間続き、日常生活に影響を与えている場合は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の可能性があるかもしれません。

トラウマの影響は個人によって異なるため、適切な対処方法が必要です。トラウマを抱えることは一人で解決するのは難しいですが、治療法や専門的なサポートを受けることで回復の道が開けることもあります。次のセクションでは、トラウマを乗り越えるための心構えについて説明します。

トラウマを乗り越えるためのポイント

トラウマを乗り越えるためには、いくつかのポイントがあります。参考にしてみてください。

自己受容と自己理解

トラウマを抱えている人は、自己受容と自己理解が重要です。自分自身を否定せずに受け入れ、トラウマの理由や影響を理解することが大切です。自分の感情や思考を客観的に見つめることで、トラウマへの対処法を見つけることができるでしょう。

自己ケアの意識

トラウマを乗り越えるためには、自己ケアを意識することも重要です。自分自身に対するケアを怠らず、身体的・精神的な健康を保つことが必要です。少しずつでも良いので十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動なども心がけましょう。

心の安定を図る

トラウマを抱えている人は、心の安定を図ることが求められます。リラックス法や呼吸法などのストレス解消法を取り入れることで、心のバランスを整えることができます。また、心の安定を図るためには、日常生活に自分だけのルーティンを作り、安心感を持つことも大切です。

サポートシステムの構築

トラウマを乗り越えるためには、サポートシステムの構築も重要です。信頼できる人や専門家とのコミュニケーションを通じて、自分自身へのサポートを求めましょう。サポートシステムがあれば、困難な状況にも対処しやすくなるでしょう。

以上のポイントを参考にしながら、トラウマを乗り越えるための心の準備を整えていきましょう。トラウマを抱えていることは決して恥ずかしいことではありません。自分自身を大切にし、前向きに取り組んでいけば、必ず乗り越えることができるはずです。

トラウマの専門的治療法

トラウマに対する専門的な治療法は、様々なセラピーが存在します。以下に、主なトラウマ治療法を紹介します。

EMDR(アイ・ムーブメント・ディーゼンシティゼーション・リプロセシング)

EMDRは、トラウマを克服するための効果的な治療法として知られています。このセラピーでは、患者は目や手の動きを追うなどの刺激を受けながら、トラウマに関連する思い出や感情を再処理します。これにより、トラウマの強い感情やストレスを和らげることができます。

ブレイン・スポッティング

ブレイン・スポッティングは、潜在意識にアプローチし、トラウマを処理するセラピーです。セラピストは、患者の視線の動きや身体の感覚に注目しながら、トラウマに焦点を当てます。これにより、トラウマが抱える感情や感覚が癒され、トラウマの処理と回復が促進されます。

TFT(思考場療法)

TFTは、トラウマや不安な感情を和らげるための治療法です。セラピストは、患者の身体の特定の部位を指やタッピングで刺激しながら、トラウマに関連する思い出や感情を処理します。これにより、トラウマが引き起こす不安や恐怖を軽減することができます。

ソマティック・エクスペリエンシング

ソマティック・エクスペリエンシングは、身体の感覚とエネルギーの流れに焦点を当てた治療法です。セラピストは、患者の身体感覚や反応に注目しながら、トラウマに対する身体的な感覚を探求します。これにより、トラウマが身体に与える影響を解放し、回復を促進することができます。

AEDP(加速化体験力動療法)

AEDPは、愛着の問題の修正に焦点を当てた治療法です。セラピストは、安全で信頼できる関係を築きながら、患者のトラウマに対処します。患者は、自分自身や他者との関係性を通じて、トラウマを処理し、愛着の癒しを実現することができます。

これらのセラピーは、トラウマを抱えた人々に対して有効な治療法とされています。しかし、個々の状況やニーズに合わせて、最適な治療法を選ぶことが重要です。トラウマ治療に専門的な知識と経験を持つ専門家へ相談し、適切な治療プランを作りましょう。

まとめ

トラウマは個人の経験や感じ方によって大きな影響を与えるものの、決して一人で抱え込む必要はありません。自己受容と自己理解、適切な自己ケアを心がけ、信頼できる周囲のサポートを得ることで、トラウマを乗り越えることができます。またEMDR、ブレイン・スポッティング、TFTなどのさまざまなトラウマ治療法を活用することで、根本的な癒しと回復につながります。トラウマを抱えている人々には、前向きに取り組み、専門家の助言を得ながら、確実に前進していってほしいと思います。

よくある質問

トラウマとは何ですか?

トラウマとは、心理的・精神的な大きな打撃を受けた体験のことです。過去の心のショックが心や身体に障害をもたらす状態を指します。日常生活でよく起こるような出来事でも、個人の経験や感じ方によってトラウマ化する可能性があります。

どのような人がトラウマを抱えやすいですか?

災害や事故、暴力や虐待、性被害、戦争、家族関係の問題、学校や職場のストレスなど、様々な状況や経験を抱える人々がトラウマを抱えやすい傾向にあります。トラウマの抱え方や症状は個人によって異なるため、適切なサポートが必要とされます。

トラウマの症状にはどのようなものがありますか?

トラウマの症状には、侵入症状(フラッシュバック)、過覚醒、回避・麻痺などがあります。これらの症状は一時的なものですが、長期間続く場合は心的外傷後ストレス障害(PTSD)の可能性があります。トラウマの影響は個人によって異なるため、適切な対処方法が必要です。

トラウマを乗り越えるためには何が大切ですか?

トラウマを乗り越えるには、自己受容と自己理解、自己ケアの意識、心の安定を図ること、そしてサポートシステムの構築が大切です。自分自身を大切にし、前向きに取り組むことで、必ず乗り越えることができます。

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