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過剰適応する大人たち~心のSOSに耳を澄ませよう~

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村田有沙
身近な人には話しにくい内容など気兼ねなくお話下さい。誰かに“話す”ことは“離す”こと。一人で抱えずに誰かに話してみませんか?
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仕事もプライベートも、頑張り屋さんのあなたへ。もしかしたら、あなたは「過剰適応」の状態かもしれません。周囲の期待に応えようとするあまり、自分の気持ちを押し殺してはいませんか?過剰適応 は、現代社会を生きる私たちが抱えやすい悩みです。
この記事では、 過剰適応の原因やサイン、そしてそこから抜け出すための具体的な方法 をご紹介します。
自分自身と向き合い、無理のないペースで生きることの大切さ、そして、「自分らしく生きる」ということの意味を一緒に考えていきましょう。

過剰適応とは?

過剰適応とは、周囲の期待や環境に合わせようとしすぎるあまり、自分の心身の声を無視してしまい、無理をしてしまう状態を指します。これは、現代社会における「生きづらさ」の一つの形と言えるでしょう。

なぜ過剰適応してしまうのか?

過剰適応の要因

過剰適応の要因やなりやすい人の特徴は、いくつか存在し、さまざまな要因が考えられます。

  • 完璧主義: 何事においても完璧を求め、少しでもミスをすると自己評価が下がってしまい、常にプレッシャーを感じてしまいます。
  • 承認欲求: 周囲から認められたいという気持ちが強く、他人の評価を過度に気にしてしまい、自分の意見を言えなくなってしまうことがあります。
  • 変化への恐れ: 新しい環境や状況に慣れるのが苦手で、変化を恐れてしまい、現状維持を優先してしまう傾向があります。
  • 比較癖: 周りの人と自分を比べてしまい、劣等感を感じてしまい、常に「もっと」を求めてしまうことがあります。
  • 社会的なプレッシャー: 仕事や人間関係において、周囲からの期待に応えようと無理をしてしまい、心身に負担をかけてしまいます。
  • 育ってきた環境: 子供の頃から厳しく育てられたり、過度に期待されたりすることで、自己肯定感が低くなり、過剰適応しやすい傾向があると言われています。

過剰適応は、社会的なプレッシャーや育ってきた環境など、さまざまな要因が複雑に絡み合って起こります。これらの例のように、似たような経験をしたことがあるかもしれません。

過剰適応になりやすい人の具体例

上記で紹介した原因ごとに、具体的な例を紹介します。

自分自身の経験と照らし合わせながら、確認してみましょう。

  • 完璧主義の例: プレゼンテーション資料を作成する際、完璧を求めて何度も修正を重ね、締め切りに間に合わない。
  • 承認欲求の例: SNSで「いいね!」がたくさんつく投稿をすると嬉しいが、少なかったり否定的なコメントがあったりすると気分が落ち込む。
  • 変化への恐れの例: 転職や異動を怖がり、現状に甘んじてしまう。
  • 比較癖の例: 同僚の昇進を見て、焦りを感じてしまう。
  • 社会的なプレッシャーの例: 周囲の期待に応えようと、残業や休日出勤を繰り返し、心身ともに疲弊している。
  • 育ってきた環境の例: 自分の意見を言えない家庭環境で育ち、大人になっても自分の意見を言えず、常に周囲の顔色を伺ってしまう。

上記で紹介した内容は、さまざまな要因や具体例の一部にすぎません。思考の癖や環境によって過剰適応になりやすい人は、注意しましょう。また、発達障害の特性や一般的な人より苦手なことがあると強く感じている場合、周囲に合わせようとすることで心身への負担がかかります。結果的に、過剰適応の状態になりやすいので気をつけましょう。

過剰適応のサイン

過剰適応の状態が続くと、心身にさまざまなサインが現れます。

  • 心身の不調: 慢性的な疲労感、不眠症、頭痛、胃痛、めまいなど、身体的な不調が現れやすくなります。
  • 感情の起伏: イライラしやすくなったり、逆に感情が鈍麻になったりするなど、感情のコントロールが難しくなります。
  • 対人関係のトラブル: 周りの人とのコミュニケーションがうまくいかず、孤立感を感じることがあります。
  • 集中力の低下: 仕事や勉強に集中できず、ミスが増えたり、やる気がなくなったりします。
  • やる気の低下: 何事にもやる気が起きず、怠け癖がついてしまうことがあります。
  • 自己肯定感の低下: 自分のことを否定的に考え、自信を失ってしまうことがあります。

帰宅後や休日に動けない状態や感情の起伏がコントロールできない場合には、過剰適応の可能性があります。次の項目で過剰適応から抜け出すためのヒントをご紹介します。

過剰適応から抜け出すためのヒント

過剰適応から抜け出すためには、以下のことを意識してみましょう。

  • 自分の気持ちを大切にする: 自分の心身の声に耳を傾け、無理のないペースで生活しましょう。日記を書いたり、信頼できる人に相談したりすることで、自分の気持ちを整理してみましょう。
  • 完璧主義を手放す: 完璧を求めるのをやめましょう。例えば「80点でOK」と割り切る、一つのタスクを小さなステップに分けて取り組むなど、過程を大切にしましょう。
  • 承認欲求をコントロールする: 他人の評価にとらわれすぎず、自分の価値観を大切にし、自己肯定感を高めましょう。SNSの利用時間を制限することも一つの方法です。
  • 変化を楽しむ: 小さなことから少しずつ変化を経験する・新しいことを始める・サークルやコミュニティに参加するなど、変化を恐れずに生きてみましょう。
  • 比較をやめる: 周りの人と比べる必要はありません。自分の強みや長所を書き出す、目標を具体的に設定するなど、自分自身の成長に目を向けましょう。
  • リラックスできる時間を作る: 趣味や運動など、自分に合ったリフレッシュ方法を見つけて、ストレスを解消しましょう。心身の健康を守るためのセルフケアが大切です。
  • 周囲の人とのコミュニケーション: 家族や友人、同僚など、信頼できる人に自分の気持ちを打ち明け、共感を得ることも有効です。
  • 専門家のサポートを受ける: 身近な人には話しにくい場合や深刻な状態の場合は、心理療法士など専門家のサポートを受けることも有効です。

過剰適応の状態は、心身に大きな負担がかかっている状態です。まずは、心身の状態を回復させることを最優先にしましょう。そのあとで、上記で紹介した過剰適応にならない方法を試してみてください。また、自分の心構えや行動を変化させるだけでは状況を変えることが難しい場合には、思い切って周囲の環境を変えることも一つの方法です。

まとめ

この記事では、「過剰適応」が現代社会で多くの人が抱える問題であることを解説しました。周囲に合わせようとするあまり、自分の気持ちを押し殺し、心身に不調をきたす状態が過剰適応です。原因やサイン、そしてそこから抜け出すための具体的な方法を紹介しました。
自分自身と向き合い、無理のないペースで生活を送ることが大切です。もし、あなたが過剰適応に悩んでいると感じたら、一人で抱え込まずに周囲の人や専門家に相談してみましょう。

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