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「五月病」の正体と対策!環境の変化で起きる不調に備えよう

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大城 眞抽美
精神科で学び、その後は朝日報道番組ABEMA・雑誌Poco'ce・財経新聞など出演。心の予防と早期発見の重要性を感じカウンセリングを開設。個々に合わせたメンタルケアやマインドフルネスに力を入れています
目次

新年度や新しい環境への移行は多くの人にとってストレスの原因となります。特に春から初夏にかけては、環境の変化に伴うストレスから「五月病」と呼ばれる不調症状に見舞われる人が多くいます。

本ブログでは、五月病の概要や特徴、症状、予防法などについて詳しく解説します。五月病の実態を理解し、上手に対処する方法を学んでみましょう。

五月病って、なに?

五月病とは、新しい環境への適応やストレスが原因で起こる心身の不調症状です。
通常、ゴールデンウィーク明け頃に多く発症するため、主に学生や社会人に見られます。五月病は公式な病名ではありませんが、長引く場合や無視すると、うつ病などの精神疾患に進行することもありますので、早めの予防・対策が必要です。

五月病の定義

五月病は、身体的・精神的な不調を引き起こすストレスが原因である状態を指します。
具体的な症状としては、疲れが取れない、肩こり、頭痛、睡眠障害などがあります。また、気分の落ち込み、気力の低下、不安感、焦りなどの精神的な症状も現れる場合があります。

詳しい症状は後ほどお伝えしますね。

原因

原因としては、新しい環境への適応や人間関係の構築の困難さによって引き起こされると考えられています。新年度や新しい職場での連休明け、新しい環境への適応に伴うストレスが蓄積し、五月病の症状が出現します。環境の変化、現実とのギャップ、目標や展望の欠如などがストレスの原因となります。

五月病と他の疾患の違い

これらは医学的な病名ではなく、適応障害やうつ病と診断されることがあります。適応障害は特定の状況や環境の変化によって発症し、症状が軽減する傾向があります。一方、うつ病は何らかの出来事が原因で発症し、長期間の気分の落ち込みが特徴です。

予防方法

予防するためには、ストレスの軽減とセルフケアが重要です。日常生活のリズムを整える、適度な運動を行う、十分な休息をとるなど、自己のケアに取り組むことが効果的です。また、新しい環境への適応では、物事を少しずつ進めることや自己肯定感を持つことも重要です。

早期に五月病に対策を講じれば、症状を軽減することができます。もし症状が2週間以上続くか、日常生活に支障をきたす場合は、早めに専門医に診察を受けることが重要です。五月病になりやすい人や環境の変化への適応が苦手な人は、予防策を実施することで健康な生活を送ることができます。

五月病になりやすい人の特徴

五月病になりやすい人には、以下のような特徴があります。

環境の変化に弱い人

五月病になりやすい人は、環境の変化に弱い傾向があります。新しい環境になじむことが難しく、特に人間関係の構築が苦手です。

真面目で完璧主義な人

真面目で完璧主義な人も五月病になりやすいと言われています。新しい仕事や学校生活に真剣に取り組み、結果を出したいと考えます。しかし、初めてのことで上手くいかず、望んだ成果を得られない場合にストレスを感じる傾向があります。

責任感が強い人

責任感が強い人も発症しやすいと言われています。仕事や学校での責任を自ら引き受け、他人に任せることができません。そのため、過労になることもあります。さらに、困難な状況に直面しても他人に相談することができず、ストレスを溜め込んでしまうこともあります。

ストレスを発散できない・他人に相談できない人

ストレスを発散できない人や、困った時に他人に相談できない人も五月病になりやすいと考えられています。他人の要望を受け入れやすく、自分の意見を主張することが苦手です。しかし、自己主張せずにストレスを溜め込むことで、五月病を発症することもあります。

これらの特徴を持つ人は、五月病のリスクが高いかもしれません。しかし、ストレスの適切な管理や他人とのコミュニケーションが重要です。ストレスをうまく発散し、自分自身を大切にすることが必要です。

五月病の主な症状

五月病には身体的な症状と精神的な症状があります。以下でそれぞれの症状について説明します。

身体的な症状

疲れが取れない: 心身が疲れているため、倦怠感や疲労感が強まります。少しの活動でも疲れを感じるようになります。
不眠: 五月病になると睡眠障害が起こることがあります。入眠困難や中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害が現れます。
食欲不振: 過度のストレスにより五月病になると、緊張感が高まるため胃腸の働きが抑えられ、食欲不振が起こります。
動悸: 五月病でも動悸が起こることがあります。ストレスにより自律神経やホルモンバランスが乱れることで動悸が発生します。
めまい: 自律神経やホルモンバランスの乱れによりめまいが起こることもあります。

精神的な症状

やる気の低下や倦怠感: 五月病になるとやる気が低下し、倦怠感が現れることがあります。新しい環境への適応や心身の疲労が原因です。
不安感、イライラ、憂うつ感: 五月病になると不安感やイライラ、憂うつ感が増えることがあります。新しい環境への不安やストレスによる心理的な不調です。
物事を悲観的に考える: 五月病では物事をネガティブに考えてしまう傾向があります。自信の喪失や失敗への恐怖感が強まります。
集中力や判断力の低下: 五月病になると集中力や判断力が低下することがあります。新しい環境やストレスにより脳の機能が鈍ります。

これらが五月病の主な症状です。症状がある場合は注意が必要であり、早めの対処が重要となります。

受診のめやすと予約の取りかた

上記の身体的・精神的症状どちらか片方でも続く場合や、症状が悪化している場合は、専門医の診察を受けることがおすすめです。以下に受診のめやすを紹介します。

心療内科や精神科を受診する

五月病の症状が見られたら、心療内科や精神科を受診して専門の医師に相談しましょう。心療内科や精神科の医師は、適切な診断と治療を行うことができます。

予約の取り方

予約の取り方は、各医療機関によって異なります。電話やインターネットでの予約が可能な場合もありますので、事前に確認しておきましょう。

初診時の準備

初診時には、以下のような準備を行っておくとスムーズです。

症状の記録: 五月病の症状や悩みなどを具体的にメモして持参しましょう。
健康保険証の提示: 医療機関では、健康保険証の提示が必要ですので忘れずに持参しましょう。
お薬手帳の提出: 既に服用している薬がある場合は、お薬手帳を持参しましょう。

診察と治療方法

心療内科や精神科の診察では、専門の医師が丁寧に問診を行い、症状の原因を探ります。適切な治療方法を提案し、必要に応じて薬物療法やカウンセリングを行います。

通院の頻度

通院の頻度は、症状の程度や治療方法によって異なります。医師の指示に従い、定期的に通院しましょう。また、通院中に症状の変化や副作用を医師に報告することも重要です。

休職や休学の相談

症状が重い場合は、仕事や学業を休むことを考えることもあります。このような場合は、医師に相談し、必要な書類の発行や手続きを行いましょう。

五月病の受診には、早めの対応が大切です。専門の医療機関で適切な診断と治療を受けることで、症状の改善や予防につながります。気軽に相談してみましょう。

予防方法

五月病を予防するためには、以下の方法が有効です。

運動する

ストレス解消には運動が効果的です。ウォーキング、ジムでのトレーニング、水泳、ダンスなどの運動を取り入れましょう。特に毎日10~15分のウォーキングは効果的です。

趣味に打ち込む

自分が好きなことに時間を使いましょう。アウトドアやインドアの趣味を楽しんで心をリフレッシュさせることが大切です。

栄養バランスの取れた食事をする

バランスの取れた食事を心掛けましょう。主食、主菜、副菜のバランスを考え、偏った食生活を避けましょう。朝食を食べることも忘れずに。

良質な睡眠を取る

睡眠は五月病予防にも効果的です。リズムを整え、寝る前の電子機器の使用を控えましょう。夕食や入浴のタイミングにも注意し、質の良い睡眠を確保しましょう。

悩みを打ち明ける

悩みやストレスを誰かに話すことは、気持ちを晴れやかにするだけでなく、解決策を見つける助けにもなります。家族や友人、専門家など信頼できる人に相談してみましょう。また、周りの人が元気がなさそうな場合は、積極的に耳を傾けることも大切です。

これらの方法を実践し、早めの対策を行いましょう。心身の健康を保つためにも、五月病の予防は重要です。

まとめ

五月病は新しい環境への適応が難しい人に多く見られる心身の不調症状です。疲れが取れない、睡眠障害、集中力の低下などの身体的症状や、やる気の低下、不安感、悲観的な考え方などの精神的症状が現れます。早期に発見し、専門医に相談することで症状を改善することができます。また、日頃からストレス管理に気をつけ、運動や趣味の実践、バランスの取れた食事、良質な睡眠など、自身のセルフケアにも注目することが大切です。

五月病は予防できる症状なので、自身の心身の健康を守るために、積極的な対策を講じましょう。

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