あなたは幸せになっていい

『すぐキレる』怒りには必ずパターンはある

こころとこころをつなぐ、こころのかふぇ
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大城 眞抽美
精神科で学び、その後は朝日報道番組ABEMA・雑誌Poco'ce・財経新聞など出演。心の予防と早期発見の重要性を感じカウンセリングを開設。個々に合わせたメンタルケアやマインドフルネスに力を入れています
目次

あなたはすぐキレますか?

早速ですが、あなたは人に対してすぐにキレてしまいますか?

ここで言う【キレる】というのは【度が過ぎる怒り】です。人間は感情のある動物なので【怒り】が表面にでてくるのは当たり前ですよね。
ですが【怒る】という感情が突然やってきて爆発し、自分では制御できない人もいます。キレた後で後悔しますし、相手とも気まずい関係になってしまいます。

この【怒り】を題材にした書籍は探せばたくさんあります。
けれど半数以上書いてあることが『①怒りの感情がでてきたらパートナーや子どもの写真を見ましょう。冷静になり怒りの感情はなくなっていくはずです。②深呼吸をしましょう。楽になるはずです。』という言葉がとても多いんです。

そんなことで感情がおさえられるなら最初からやっていますし、写真を見てもますます怒りが込み上げてくるだけです。そんなのではおさえられません。(私の感覚ですが)

すぐキレる自分を止められない理由は、あなたの今までの人生の中で【怒り】を生み出していた人がいる可能性があります。そしてそれを今まで気づかず自分の中で蓄積させていること、怒りの感情がでてくるのにはパターンがあり、それに気づいていないこと。それを分かってしまえばすぐにキレるということはなくなります。

グループセラピーでの実例

例えば、以前セラピーを受けに来られたAさんはすぐに夫にキレてお皿を投げたりコントロールができませんでした。お皿を投げた後は後悔するのですが、何気ない会話の中でも理由もなく爆発をして夫と気まずい雰囲気になってしまいます。
そんな自分を変えたくてセラピーに参加をされたのですが、結論から言うとAさんが【怒る】のは無意識に「自分は夫のせいでこんな田舎に引っ越す羽目になった」と思っていたからです。

実は東京に夫と子どもと暮らしていたAさんでしたが、夫の実家のある田舎で暮らしたいという提案で田園の広がる静かな所に引っ越しました。もちろんAさんも了承しています。
けれどまだ子どもが小さかったこともあり、育児や家事に追われ知り合いの少ない町でAさんは頑張っていたのですが、夫からは帰宅するなり「散らかってるんじゃない?」とため息まじりな言葉が。
そこから夫にイライラするようになり、キレたり悪循環に陥ってしまいました。

セラピーを進めることで、Aさんは自分が了承して田舎暮らしを始めたのですが、無意識に「田舎に追いやったのはあなたのせいだ。だから私はこんなに頑張らなきゃいけなくなった!」と夫へ不満があったからという理由に気がつきました。

別の人は父親が原因でした。
父親への怒りが心の奥底にあることに気づき、昔から話すのが苦手なのは身体もその父親のことがきっかけで制御されていたことが分かったとお話をされました。
自分が怒っているとき必ず父親はヘラヘラしてきちんと話を聞いてくれない、そんな父親を大人になってからわざと遠ざけ解決していたかのように思えたが自分の気持ちの中は何も解決していなかったんです。

今ここにある現実をベースに、過去や未来を考えていく

私のところに相談をしに来られる方は30代~60代までの男女が多く、療法を行う前と後では表情が違い、パートナーや家族にキレることはなくなったと嬉しいご報告もあります。

過去のわだかまりに注目し、そこに原因を求めて解決していく。そういった考え方の療法(カウンセリング)をやめて、ここでは今ここにある現実をベースに、過去や未来を考えていきます

私たちの人生は「過去・今・未来」すべてを含めてひとつです。
心理学のなかでとても大切にされている「今ここ」に意識を向けることがここではとても重要になります。

悩みは【今】ではなく過去か未来が原因

突然ですが、あなたの悩みはどこからきていますか?

人はたいてい、自分の未来がどうなるか分からない、見えないから不安になりそれについて一生懸命考え想像し、悩みになります。(私たちの脳は分からないこと・考えても答えがわからないことについて不安になるんです。)
そして過去についても「あのときこうしていれば違ったのかもしれない」と後悔しズルズルと悩みを引きずっていきます。

例えば「お金がない」という思いも【今】の悩みのように感じますが、掘り下げてみると過去の「あのときアレを買わなければよかった」「奢るなんてかっこつけなければよかった」などに辿りつきます。

【今の現実】については過去や未来に頭がいき、【今】が蔑ろになってしまうのですね。

ただ、過去・未来について一切考えてはダメということではありません。
あくまでも【今、ここ】【今、この瞬間】をベースにおいて考えると悩みである無意識な部分に気づいたり落ち着きを取り戻すことができるのです。

なんの絵に見えますか?

図1 ルビンの壺
図2 うさぎとアヒル
図3 娘と老婆

図1は【ルビンの壺】というタイトルの絵です。
壺のようにも見えますし、人がお互いを見つめあっている絵にも見えます。

図2は【うさぎとアヒル】
うさぎにも見えるし視点を変えるとアヒルにも見えてきます。

そして図3は【娘と老婆】
若い娘と年老いた女性の二通りに見えませんか?
若い娘は左奥を見ていて、左耳が老婆の左目に当たります。年老いた女性は左方向を見ていて、口が娘の首飾りに当たります。

なんでこの絵を見せたかと言うと、私たちは「図と地の反転」という認知思考があります。

「図と地の反転」というのは、私たちがものの考え方、視点など見る世界を認知する際、意味ある形として注目したものを「図」。それ以外は「地」として背景に溶け込んでしまうという考え方です。

このルビンの壺の絵のように何に注目するかによって「図」と「地」は反転してしまう。
人の物の見え方や捉え方はいくらでも変化することが出来るということを指します。

何を伝えたいかと言うと、「地(無意識)」から「図(意識)」にのぼってくる感情を味わう中で、自然と図と地はひっくり返り、新しい感情や感覚を体験します。その過程で、長年凝り固まっていた図と地の関係は緩みはじめ、人生においてより柔軟な選択が可能になると考えられるということです。

些細な事でもお問合せください

「気づきに始まり、気づきに終わる」

このセラピーは「気づきに始まり、気づきに終わる」こと。
あくまでもクライアントに自分の感情・思考・クセなどに気づきを得てもらい、体感してもらう療法です。

エンプティ・チェア・テクニック法

この療法の中で用いられる代表的な技法「エンプティ・チェア・テクニック法」というものがあります。

やり方は、誰も座っていない椅子を用意して、「悩んでいる自分」や「他人」などが座っていると仮定して、椅子を行き来しながら対話をしてもらう技法です。

「今、この椅子に父親が座っているとしたらあなたはなんて声をかけますか?」など問いかけをして、伝えたいこと・感じていることなどを言葉にだしてもらうことで気づきを得てもらう技法になります。

こうした療法を行うことによって矛盾した感情や考え方、受け入れがたい自身の弱い部分などを統合し、新しい生き方を目指せるようになりますす。そして相手の気持ちを理解し許せるようにもなる効果があります。

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