学校ではいい子なのに、家族にだけキレる理由

「学校では問題ないと言われるのに、家では毎日のように怒るんです」
こうした相談を受けることもあります。
なぜ、家族にだけ強い怒りを見せるのでしょうか。
理由の一つとして、家庭が安心して感情を表現できる場所になっている可能性があります。
学校では周囲に合わせたり、嫌なことを我慢したりしている子どもが、家に帰って緊張が緩み、ため込んでいた感情を出すことがあるのです。
ただし、家族に怒りを向けるからといって必ずしも家庭が安心できる場所だとは限りません。
親子関係のすれ違い、家庭内のストレス、学校での困りごとなどが関係している場合もあります。
大切なのは「家だから甘えているだけ」と決めつけないことです。
どんなときに怒るのか、怒る前に何があったのか。
子どもの様子を少し丁寧に見てみると、今まで気づかなかった理由が見えてくるかもしれません。
子どもがキレたときに避けたい2つの対応
① 怒鳴って言うことを聞かせようとする
子どもが大声を出したとき、親もつい大きな声で叱ってしまうことがあります。
でも、感情が高ぶっているときに怒鳴り返すとさらに興奮してしまうことがあります。
例えば、子どもが「もう嫌だ!」と叫んだとき。
「何その言い方!いい加減にしなさい!」
と返すよりも
「嫌だったんだね。でも、大きな声で怒鳴られると話ができないよ」
と、落ち着いた声で伝える方が話し合いにつながりやすくなります。
もちろん、親だって人間です。
いつも冷静でいられるわけではありません。
もし怒鳴ってしまったとしても、落ち着いてから「さっきは大きな声を出してしまったね」と伝え、関係を修復することも大切です。
② 親の考えを一方的に押しつける
「親の言うことを聞きなさい」
「何度言えばわかるの?」
つい口にしてしまう言葉ではないでしょうか。
でも、子どもにも自分なりの考えや気持ちがあります。
一方的に命令されると、反発が強くなることもあります。
そこで意識してほしいのが、「あなた」を主語にするのではなく、「私」を主語にして伝えることです。
例えば、
「あなたはいつも片付けない!」
ではなく
「床に物があると、踏んでけがをしないか心配なんだ」
という伝え方です。
これは心理学やコミュニケーションの場面でも使われる「アイメッセージ」と呼ばれる方法です。
もちろん、言い方を変えただけですぐに子どもの行動が変わるわけではありません。
それでも、相手を責めるのではなく、自分の気持ちや理由を伝えることで親子の対話が生まれやすくなります。
子どもの怒りに親ができる5つの対応
では、実際に子どもがキレたとき、親はどう接したらよいのでしょうか。
① まずは落ち着く時間をつくる
子どもが興奮しているときは、無理に話し合おうとしなくても大丈夫です。
「少し落ち着いてから話そうか」
と伝えて必要に応じて距離を取ってみましょう。
物を投げたり、人を叩いたりしている場合は、安全を確保することが最優先です。
② 怒りの奥にある気持ちを聞いてみる
落ち着いたら
「何が嫌だった?」
「どうしてほしかった?」
と、子どもの気持ちを聞いてみましょう。
すぐに答えられなくても、急がなくて大丈夫。
「悲しかったのかな?」「悔しかった?」と、気持ちを言葉にする手助けをするのも一つの方法です。
③ 感情と行動を分けて伝える
怒ること自体は悪いことではありません。
怒りは誰にでもある自然な感情です。
ただし、怒ったからといって人を叩いたり、傷つけたりしていいわけではありません。
「怒るのはいいよ。でも、叩くのはダメだよ」
このように感情は受け止めながら「してはいけない行動」は明確に伝えましょう。
④ 日頃から気持ちを話せる時間をつくる
子どもが怒ったときだけ話を聞くのではなく、普段から何気ない会話を重ねることも大切です。
「今日、何か楽しいことあった?」
「最近、学校どう?」
特別な時間を用意しなくても、食事中や帰り道など、ちょっとした会話で構いません。
ただし、質問ばかりにならないように子どもが話したくないときは無理に聞き出さないことも大切です。
⑤ 親自身の気持ちも大切にする
子どもの感情を受け止めることは、決して簡単ではありません。
仕事や家事で疲れているときに、子どもが怒り出したら、親だってつらくなりますよね。
だからこそ、親自身も休んだり、誰かに気持ちを話したりする時間が必要です。
子どもの心を大切にすることと同じくらい、親の心も大切にしてほしいと思います。




