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【回避性パーソナリティ障害】逃げることは恥?

こころとこころをつなぐ、こころのかふぇ
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大城 眞抽美
朝日報道番組ABEMA・30代女性雑誌Poco'ce・財経新聞など出演。人は客観的な現実を理解することはできない。 認知神経科学の観点から意識を研究、特に30代女性1万人以上カウンセリングしています
目次


今からお話することは【クライアントの実際にあった相談例】です。

幼少期から引っ込み思案で、友達と遊びたくても輪の中に自分からは入れなかったり、自分の気持ちを言ってしまうと「嫌われてしまうのではないか」と思い、昔から行動することが苦手だった。
仕事でも先輩から少しミスを指摘され叱られた時も、他の人たちは自分を見て笑っているのではないかとか、本当は優しい言葉をかけながら本心では嫌っているのではないかなどと、ひどく嫌な方向に考えてしまう。
今では他人が怖くなり人とかかわれなくって、長年続けていた仕事も辞めてしまった。

回避性(不安性)パーソナリティ障害

上記のように、実際は違うのにいつでも自分は他人から批判されたり、拒絶されたりすることを考えているため、批判、否定、または嘲笑に対してとても敏感な方は、『回避性(不安性)パーソナリティ障害』の疑いがあります。

一見これは生まれつき持った性質だと思うかもしれませんが、こころの病気であり、きちんと治療をすれば治ります。
とにかくひどく不安をもち、周りの笑い声(学校の教室での休み時間や街で行き交う人々など)に対し、自分が笑われているのではないかとネガティブな感情でいっぱいになり、自己否定に駆られる状態になります。

自己チェックをしてみよう

以下のような症状が4つ以上あてはまるか、チェックをしてみましょう。

批判や拒絶されることに対して強い恐怖心があり、人との接触を避ける
自分が相手に好かれているか分からなければ、その人には接触をしない
親しい友人に対し遠慮をしがちで相手にあわせる
自信がないので新しい交友関係はもたないようにしている
自分は悪いところだらけで長所はないと思っている
引っ込み思案で自ら行動しない
些細な指摘でひどく落ち込む

このような思いは、私たちには少なかれあるかと思います。
ただ、回避性(不安性)パーソナリティ障害の特徴は、このネガティブな思いが一過性ではなく持続的に続き、日々の生活に支障がでてしまうほどのことをいいます。

環境・親が影響してなるもの?

はっきりした原因はいまだ不明ではありますが、主な要因としては両親や家族からの非難罵倒、兄弟での差別・過干渉・虐待などの問題や、幼少期のいじめや恥をかいた経験などが原因となります。
そして、あまり子供の頃に褒められた経験がない人も発症しやすい傾向にあります。

主な症状

ではどんな症状があるのか確認していきましょう。

批判されたり拒絶をされることが怖いので、社会的交流を避ける
批判されたくないので昇進を拒否する
友人をつくらない
笑われたくないので、自分のことを話したりはしない
新しいことには参加をしたくないので、リスクについて大げさに話す
安心感と確実性を求めるため、生活は限定的な活動しかしない
自分に対して自信がないので常に笑われていると思う
他の人よりも劣っていると思う

治療方法は2つ

他人との接触を避ける回避行動は2歳頃から始まります。ですが、これは成長とともに消えていきます。

回避性(不安性)パーソナリティ障害を発症する人は、10歳から22歳、または30歳から40歳にますます内気になり、人との接触を避けるようになります。そして、自身が守られた環境に置かれていれば安心して生活を送れるようになりますが、置かれた環境が安心する場所でないと、怒りっぽくなったりうつ状態になったりしてしまいます。

精神療法【思考・感情のあり方を整理する】

精神療法は、主に集団療法や認知行動療法を行います。
常に考えてしまう批判や拒絶に対する敏感さが、自分や周りにどのような影響を及ぼしているかを理解できるようになります。

ですが、発症をされていると治療を避けてしまう場合があります。その場合、休んでしまったことに対して自身を責めるようになり、アルコール依存や不登校、引きこもりなどを起こすことが多くなります。
なので、医師やカウンセラーは慎重に判断し、本人の受診できるペースを一緒に考えていかなければなりません。
そして、家族関係を修復することによって症状の改善を目指していく家族療法などもあります。

薬物療法【不安感・ストレス軽減】

お薬を投薬することによって、ストレスや不安感を軽減させる効果があります。
これだけでは完治はしません。あくまでも症状を和らげるための治療になります。精神療法と、薬物療法を組み合わせることで、精神が安定し、カウンセリングに向き合えるようになります。

あなたの代わりにお悩みにあったカウンセラーを選択しマッチングいたします。プランやご不明点もこちらでお問合せできます。 info@kokocafe.jp

回避性(不安性)パーソナリティ障害の向いてる職業

この症状を持った人に適した仕事はなんだと思いますか?
働きやすい環境や仕事について詳しく見ていきましょう。

働きやすい環境とは

小規模な人数
できれば体調に合わせて働ける環境
ストレスチェックをしている会社
人との関わりが少ない場所

できればこのような会社がおすすめですが、なかなか探そうとしても少ないかもしれません。
いろいろな職業はありますが、カウンセラーとして私がおすすめする職業をご紹介しますね。

向いている職業とは

ライター①自分のペースで体調を管理しながらできる
②コミュニケーションが限定的である
ウェブデザイナーリモートワークで働ける
工場作業員①人との関わりが少ない
②ルーティンワークで仕事内容も決められている
イラストレーター①リモートワークができる
②黙々と仕事ができる
③人との関わりが少ない
会計士①数字と向き合うので人とのストレスが少ない
図書館員・博物館スタッフ①環境が静かで落ち着いている
②資料管理などに集中できる

これは避けてほしい職業

人との関わりが多い職業
期限や売上目標が厳しい会社

看護師
介護士
人との関わりも多く、コミュニケーションが大切になってくる仕事なのでストレスがでてきやすい
営業職ノルマがあり人との関わりが多い
カフェ店員
レストランスタッフ
接客やスタッフ内での関わりが多い。厨房では黙々とできそうですが、早く作らないといけない制限もあるのでストレスになる可能性があります
教師生徒や教師、生徒の親など仕事が膨大にあり、コミュニケーションも多い
弁護士
医師
人との関わり、複雑な問題解決が多く、予期せぬトラブルなどもある

就労移行支援を利用するのもあり

精神疾患を抱える方は仕事を辞めてしまう方がほとんどです。
就職活動を行う際は、様々な福祉サービス・支援機関を有効に活用しながら進めていくのがおすすめです。就労移行支援とは、障害者総合支援法に定められた「障害福祉サービス」のひとつになります。

サービスはどんな感じ?

ざっくりお伝えするとこのような流れになります。

①就労に向けたトレーニング

②職場見学・実習

③就職活動サポート

④職場定着支援

【①就労に向けたトレーニング】
職業訓練として、簡単な基礎を学ぶパソコントレーニングや、社会生活技能訓練など、働き続けるために必要な知識を研修します。

【②職場見学・実習】
「職場見学」や「職場実習」を行います。これは、自分にあった職業を探すために行います。

【③就職活動サポート】
基本となる「応募書類作成のアドバイス」や「模擬面接を通した面接対策」を行います。

【④職場定着支援】
入社後の相談対応や企業への環境調整依頼を行います。職場に慣れてきているか、悩みはないかなど相談できます。

全国の就労移行支援先ご紹介

下記は、全国の就労移行支援先です。
自分では見つけられない、どうしたら良いか分からないときにはこういった支援も利用してみる価値はあります。

https://snabi.jp/ikou
全国の就労移行支援事業所

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